微生物検査キットは、何を使ってもよいの?

更新日時:2025.2.13

 微生物検査のキットは、様々な種類があります。基本的には、「検査の目的」が明確であるなら、どんなキットを使っても構いません。

 

 ただし、最近は、一般的には「国際的な第三者機関に妥当性確認された(認証された)試験法が望ましい」という風潮はあります。
 国際的な第三者機関では、それぞれの試験法について、ISO法と照らし合わせて妥当性確認を行っています。そのため、それらの国際認証を受けた試験法であれば、その結果は国際市場でも信頼される可能性が高まるのです。

 なお、試験法の妥当性確認を行う国際的な第三者機関、国際認証を発行する組織は、AOACインターナショナル、AFNOR(フランス)、NordVal(ノルウェー)、MicroVal(オランダ)の4機関です。残念ながら、現時点で日本に試験法の妥当性確認の機関は存在しません。
 いずれにしても、これらの認証を取得した試験法を用いる場合、「自主検査の結果に対する対外的な信頼度は高まる」と考えられます。

 

 ただし、こうしたキットに対する認証は「検査の対象範囲」が限定されています。例えば「鶏肉では信頼して使える」「ミネラルウォーターでは信頼して使える」といったように、食材が絞られている場合があります。
 そのため、自社で簡易キットを採用する前には、できれば「自社の製品で、従来の検査法とそん色ない結果が得られるか?」ということを確認することが望ましいです。こうした確認作業は「検証」「導入前検証」などと呼ばれます。

 

 検査キットの導入後も、「自分たちの検査結果が信頼できるか?」と自主的に確認することが望ましいでしょう。そのためには、例えば、
・社内の複数人で同じ検体を検査してみる
・菌の種類や菌数がわかっている検体を使って、検査をしてみる
・「外部精度管理」「精度管理サーベイ」などと呼ばれるイベントに参加する
といった確認方法があります。

 
 外部精度管理とは、簡単にいえば、全国のたくさんの人たちと同じ検体を検査して、「全国の人たちと同じような結果が出せるか?」を確認するイベントです。終了後には、結果の判定と合わせて、フォローアップの勉強会を受講できることもあるので、お得なイベントです。