世界の食品安全の法律(日本では食品衛生法)とコーデックスHACCPの関係

更新日時:2025.2.12

 HACCPはコーデックス委員会が公表しているガイドラインが世界共通の標準であり、各国の法律も、多種多様な認証規格も、コーデックスのHACCPガイドラインをベースにしています。
 コーデックスのHACCPガイドラインは2020年に改訂されました(コーデックスHACCPの改訂の歴史については、別途、ご紹介します)。

 

 改訂前のガイドラインでは、HACCPは付属文書(アペンディックス)の位置付けでしたが、改訂版では第1章:一般衛生管理、第2章:HACCPとすることで(HACCPに関する記述を付属文書から第2章に移すことで)、これまで以上に一般衛生管理とHACCPの関連性があることを明示しています。
 なので、まずはコーデックスガイドラインを理解した上で、現場の取り組みを進めていくことは有用です。コーデックスのガイドラインには、目的や、その目的を果たすためにどのような取り組みが推奨されるかが掛かれています。
 HACCP関連の作業を「やりすぎない」「やらなすぎない」ためには、コーデックスガイドラインを理解しておくと有効かもしれません。

 

 現在、食品衛生法で規定するHACCPは、食品衛生施行規則 第66条の2の第2項関係で、施行規則の別表18にHACCP、別表17に一般衛生管理に関する事項が規定されています。
 ちなみに、米国の法律も同様です。FSMA(米国食品安全強化法)では、連邦規則集21巻パート117のサブパートCにHACCPの考え方を踏まえた法律(Hazard Analysis and Risk-Based Preventive Controls、ハザード分析およびリスクベースの予防管理)、サブパートBにCGMP(current good manufacturing practice、現行適正製造規範)が規定されています。
 厳密に同じ内容ではありませんが、図のようなイメージで捉えるのはいかがでしょうか?

 

 下の表は、左側にコーデックスのHACCPガイドラインの動き、右側にISO 22000やFSSC 22000の改訂、日本や米国の食品安全に関する法律の動きを挙げてみました。お互いが、お互いの動向を見ながら、国際的な整合性を意識しながら改訂していることが伺われます。