アニサキスのリスクプロファイルが公表されました(2025年1月)

更新日時:2025.2.12

 内閣府食品安全委員会は1月、アニサキスのリスクプロファイルを公表しました。

 

 アニサキスは平成25年から厚生労働省の食中毒統計に追加され、年々、症例が行政機関に報告されるようになってきました。それに伴い、事件数も伸びており、現在、食中毒の事件数はカンピロバクターやノロウイルスよりも多い件数になっています。

 ただし、ほとんど全ての事例が、家庭や飲食店で発生しており、1件当たりの患者数は1人だけです(ノロウイルスやカンピロバクターは、1件で数十人、数百人の患者が出ることもあります)。  

 

 アニサキスは「寄生虫」と呼ばれる生物です。これが食べ物と一緒に胃に入って、胃にかみつくと食中毒となります。また、アニサキス自体がアレルゲンとなって、アレルギーのような症状を呈することもあります。

 

 殺菌または冷凍で殺すことができます。ただし、通常の調理で使うような塩や酢、アルコールでは生きています。

 新鮮なうちに内臓を除去すれば、アニサキスが内臓から筋肉に移行する可能性は格段に減ります。

 なめろうのように刻んだり、薄い刺身にすれば、物理的にやっつけられます。

 熟練の板前さんは、生きたアニサキスがいれば、目視で見つけられるそうです。

 食文化の背景には、衛生管理や安全管理の概念が根差していることが感じられます。

 

 今後、このリスクプロファイルを用いて、リスク評価やリスク管理、リスクコミュニケーションが行われることになります。 

https://www.fsc.go.jp/risk_profile/index.data/250121AnisakisRiskprofile.pdf